能勢陽子(キュレーター)
鈴木ヒラクは、森羅万象に存在する見えない線を発掘するようにドローイングを描く。
鈴木のドローイングは、言葉とイメージ、人間と自然、此岸と彼岸、自己と他者といった二項対立的な領域を繋ぎ、この世界と人間の関係を新たに結び直す。
“The Writing of Meteors”のシリーズでは、火山から噴出された溶岩が冷え固まって形成された石が使われている。身近な環境で見出される石は、小さいながらも環境の変化や時間の蓄積の膨大な情報を孕んでおり、宇宙の星々の雛型のようでもある。各々の石に呼応して描かれた線は、無機物に潜む宇宙の構成要素としてのエネルギーが迸ったかのような生命力を放つ。
鈴木は、太古の昔から線を描いてきた人間の根源的な意義に立ち返り、未来に向けた可能性を探りながら、過去と未来が交差するいまここにドローイングを出現させる。
「宇宙のように 複数であれ 平川紀道+鈴木ヒラク」ART DUSSELDORF 2025